地球を冷やすエアロゾル
大気汚染を起源とするエアロゾルによって、雲の量がふえるらしい
エアロゾルは大気汚染などが原因で生じる微粒子で、
温室効果ガスと同様に地球の温暖化に大きな影響をもつ
といわれている。
エアロゾルには、
太陽光を吸収し気温を上げる効果と、
雲の発生を促進し太陽光を反射する効果があり、
この二面性が、気候変化の予測を困難なものにしている。
アメリカ、NASAゴッダード宇宙センターのカウフマン博士らは、
世界に17ヶ所ある自動観測網を利用して、
エアロゾルによる太陽光の減衰とその場所での雲発生率の関係を調べた。
その結果、
雲の発生量は、大気中のエアロゾルの濃度に比例して増加し、
逆にエアロゾルによる太陽光の吸収量には反比例することがわかった。
この傾向は、エアロゾルの種類や地域には依存しない。
博士によると、
大気汚染を起源とするエアロゾルによって雲の発生率は5%ふえる。
これはエアロゾルが地球を暖めるよりも冷却する効果のほうが高いことを
意味しているという。
◎ Science 2006年8月4日号
サイエンス月刊誌「NEWTONE」から
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