細菌は植物の持つタンパク質を使い、植物の免疫をおさえるらしい

    細菌との攻防戦をしいられているのは動物ばかりではない。
     植物は細菌から身を守るため、独特の免疫系を発達させてきた。


 しかし、敵も手ごわい。
  細菌の一種「シュードモナス・シリンガエ」は、
   タンパク質「HopM1」植物の細胞内に注入し、
    植物の免疫系のはたらきをおさてしまうのだ。


アメリカ、ミシガン州立大学の野村欽弥博士らは、
 HopM1が植物の免疫系をおさえるしくみを知るため、タバコの葉で実験を行った。
 実験結果によるとHopM1は、
  タバコの葉を守る免疫系のタンパク質「AtMIN7」と結合するようだ。
 HopM1と結合したAtMIN7は、
 タバコの葉の細胞内にあるタンパク質「プロテアソーム」によって分解されてしまうらしい。
 免疫系のタンパク質が破壊されてしまうため、植物が細菌に感染する危険性は増すようだ。


   細菌が植物のもつタンパク質を利用し、
    植物の免疫系をおさえ、感染してゆく戦略が明らかになった、と博士らはのべている。

                    ◎ Science 2006年7月14日号



サイエンス月刊誌「NEWTONE」から



毒を消すしくみ
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