働きバチのうち、卵形成が進んだ固体は多くの花粉を集めるらしい。
アリやハチなど高度な社会を作る昆虫では、
働き役の不妊メスが巣にとどまって母親である女王を助け、
自分の兄弟を世話する。
アメリカ、アリゾナ州立大学のアムダン博士らは、
ミツバチの働きバチにおける仕事の割り当てが、
生殖能力と関連することを明らかにした。
働きバチの仕事は、巣の中で兄弟の世話をするほかに、
外に出て花粉や花の蜜を集めることである。
花粉を集める行為は兄弟を養育する行動と考えられている。
しかし、花粉を集める行動は一定ではなく、
集める花粉の量が多い働きバチと少ない働きバチがいる。
博士らが働きバチの卵巣を調べたところ、
集める花粉が多い個体ほど、
少ない個体に比べて卵形成の度合いが高いことが明らかになった。
働きバチの生殖能力は
女王の存在によって抑制されている。
しかしその能力が高いほど養育能力が高いことから、
生殖に関する性質が、
兄弟に対する養育行動の元になっているかもしれない。
●nature 2006年1月5日号
月刊誌「NEWTONE」から