2011-01-01から1年間の記事一覧

光でガスをとらえる

わずかな量のガスを高精度に検出できる小さな装置が開発された。 nature materials2011年8月号 水素を利用する燃料電池の開発において、ガス濃度を高精度に検出する技術は重要である。 これまでは、電気の力でガス濃度を計測していた。しかし、水素に電気を…

省エネの高速メモリ

現在使われているフラッシュメモリに、とってかわっりうる素材が開発された。 nature nanotechnology2011年8月号 メモリ(半導体)とは、情報を記憶するコンピューターの部品である。 シリコンを用いた現在の半導体では、メモリの高速化を行なうと、消費エネ…

肥満にきく延命薬

ある化合物が、肥満マウスの寿命をのばす効果があるこおとがわかった。 Scientific Reports2011年8月18日 哺乳類の「Sirt1」という遺伝子は、加齢にともなう病気の発症を遅らせるなど、長寿効果にかかわるとされる。 この遺伝子を活性化する「SRTI1720」とい…

高効率発電の妙案

回転軸が地面に垂直な風車で、風力発電所の能力が10倍になるかもしれない。 Journal of Renewable and Sustainable Energy 2011年7月号 風力発電に用いられる風車は回転軸が水平のものが一般的だ。 水平軸型は、発電効率は優れるが、風が乱され風車同士が…

毎年使えるワクチン

流行するインフルエンザウィルスの種類によらず、感染を防げるかも Science2011年8月12日号 インフルエンザウィルスは、ウィルス表面にあるタンパク質分子「HA」を使って感染する。 現状のワクチンでは、HAの一部を予防接種する。HAに結合して免疫反応…

病原菌の襲来を予知

植物は、病原菌に感染しやすい時間帯にあわせた免疫を準備しているようだ。 nature2011年2月3日号 植物には、幅広い病原体に対する免疫がある。この免疫の詳しい分子レベルの仕組みは、ほとんど分かっていない。 アメリカデューク大学のワン博士らは、免疫反…

予期せぬ素粒子

従来の物理学をかえてしまう可能性のある素粒子があらわれたかもしれない。 Familab Today2011年4月7日 物質の材料である素粒子の性質は、多くの実験によって検証を受けた「標準理論」で説明される。 この理論では、物質のもつ質量にかかわる「ヒッグス粒子…

夜ふかしで太る理由

不規則な生活を送ることで、脂肪を燃やす遺伝子のはたらきが落ちるようだ。 Science2011年3月11日号 人間はふだん、役24時間周期の正確な体内時計をきざんでいる。 だが、夜ふかしなど不規則な生活をつづけると体内時計は乱れてしまう。 これまで、不規則…

菌でマラリア退治

遺伝子を組みかえた菌類使い、蚊の体内にいるマラリア病原虫を駆除できた。 Science2011年2月25日号 マラリアは、蚊の体内にいる病原虫よる感染症である。 この病原虫をもつ蚊に刺されると感染するリスクがあり、世界中の半分近くの人をおびやかしていると…

遺伝子を失い進化?

ヒトが進化する過程で遺伝子を失うことの重要性が明らかになった nature2011年3月10日号 ヒトは霊長類の中でも独自の特徴をもつ。退化した体毛や大きな脳容積、すぐれた言語能力などである。 これらを得るに至った進化過程は、DNAのうち、タンパク質の情報を…

窒素で性能アップ

既存の太陽電池に窒素を加えるだけで、高効率な太陽電池ができた。 Phisical Review Letters2011年1月14日号 太陽電池は太陽光エネルギーを電気エネルギーに変換する。 近年、素材をかえた複数の太陽電池を組み合わせることで40%をこえる高いエネルギー変…

おとりで感染拡大を防ぐ

遺伝子を組みかえたニワトリで鳥インフルエンザの感染拡大がおさえられた。 Science2011年1月14日号 ニワトリを高確率で死亡させる鳥インフルエンザウィルス(HPAI)が、世界の養鶏産業をおびやかしている。 現在のワクチンではウィルスを撲滅できない。そ…

栄養不足でうつ傾向に?

必須栄養素の脂肪酸が不足したマウスで、うつ病のような状態がみられた。 nature neuroscience2011年3月号 安くて高カロリーな食物は、必須栄養素を欠くことが多い。 そのような食事を続ける必須栄養素が不足すると、脳の発達や行動が悪影響を受けるという指…

細菌の免疫システム

微生物がウィルス感染などから身を守る詳しいしくみが明らかにされた。 nature2010年11月4日号 細菌や古細菌といった微生物も、ウィルス感染などで細胞内に遺伝子の侵入を受ける。 これらの微生物は、細胞内の特殊な遺伝子配列「CRISPR」を介し、外来遺伝子…

大腸菌でガソリンをつくる

ガソリンなどの化石燃料を合成するための遺伝子をラン藻から発見した。 Science2010年7月30日号 炭素原子などがつながった有機分子「アルカン」は、ガソリンや軽油などの化石燃料の主成分である。 アルカンは多様な微生物の体内で合成されているが、どのよう…

トビウオから飛行機

水平飛行するトビウオは、鳥に匹敵する滑空能力をもつことが明らかになった。 The journal of Experimental Biology2010年9月号 トビウオは胸びれと腹びれを翼のように使い、時間で30秒以上、距離で400メートル以上、空中を飛ぶことができる。 しかし、トビ…

万能ワクチンが完成?

全ての種類のインフルエンザウィルスに効くワクチンの実現に近づいた。 Science2010年8月27日号 インフルエンザウィルスの表面にある「ヘマグルチニン(HA)」というタンパク質に、「抗体」が結合すると、ウィルスの感染力が失われる。 HAを含むウィルスの一部…

涙は女だけの武器じゃない…でも、マウスの話

マウスのオスは「涙」でメスを落とす--。 2010年7月2日 提供:読売新聞 東原和成・東京大教授(応用生命化学)らは、オスのマウスの涙腺から分泌される物質が、メスの脳を刺激して交尾を促進することを明らかにした。哺乳(ほにゅう)類の性フェロモンの機構が…

脳細胞に新たな役割を発見

神経細胞の活動を支えるアストロサイトは、酸性化を感知して呼吸を調節していた。 Science2010年7月30日号 脳は、「ニューロン」と「グリア」の二種類の細胞から構成されている。 グリアの一種「アストロサイト」は、ニューロンの構造を支え、その活動を助け…

音を感じる繊維

光ファイバーを用いた高感度な音響センサーが、はじめて開発された。 nature materials2010年8月号 「光ファイバー」は、細長い繊維状のガラスである。 光の信号をガラスの繊維の中に閉じこめて、長距離にわたり伝達することができる。 最近は高速光通信のみ…

暑いと子孫を残せない?

温暖化は生物の代謝をかえ、熱帯では繁殖能力にまで影響するおそれもある。 nature2010年10月7日号 近年、地球規模で気温が上昇している。 爬虫類などの変温動物にとって、気温上昇は体温の上昇を意味する。 体温上昇は、エネルギーを消費する「代謝」の速度…

深海で油を食べる細菌

原油が流出したメキシコ湾の深海では、予想より早く原油が分解されそうだ。 Science2010年10月8日号 2010年4月20日、メキシコ湾の海底油田で事故がおき、その後膨大な量の原油が流出した。 環境への影響を調べるため、アメリカローレンスバークリー国立研究…