トビウオから飛行機

水平飛行するトビウオは、鳥に匹敵する滑空能力をもつことが明らかになった。
The journal of Experimental Biology2010年9月号


トビウオは胸びれと腹びれを翼のように使い、時間で30秒以上、距離で400メートル以上、空中を飛ぶことができる。
しかし、トビウオが空気の力をどのように受けて飛行しているのか、くわしくは調べられていなかった。


韓国、ソウル大学のチェ教授らは、はく製にしたトビウオを「風洞」とよばれる空気の流れをつくる装置に入れて、トビウオの飛行姿勢と空気の力の関係をくわしく調べた。


その結果、トビウオは鳥に匹敵する滑空能力をもち、実際のトビウオがしているように、水面に平行な姿勢のときに最も遠くまで飛べることがわかった。


また、水面からの高さが飛行距離にどう影響するかを調べたところ、トビウオが水面に近ずくにつれ空気抵抗が小さくなり、さらに距離がのびることがわかった。
トビウオの飛行法を利用すれば、水面近くを飛ぶ燃費の良い飛行機が作れるのではないかと、博士らは考えている。


「NEWTON」2010年12月号から