2008-01-01から1年間の記事一覧

DNAの遺伝情報がRNAに写し取られる際のミスを直す機構が解明さ

DNAが複製されたり、RNAに写し取られる(転写)とき、 その塩基配列が正確に写し取られることは非常に重要である。DNAの複製ではミスを直す機構(校正機構)が知られている。 しかし、転写の際にはたらく校正機構の多くはこれまでなぞであった アメリ…

宇宙での窒素の形

酸素が少ないとき、窒素は分子ではなく原子のままでいるらしい 窒素は分子の形になると非常に安定で、 地球の大気中ではほとんどが分子になっている。 もし、太陽系が形成された時にも、窒素が分子になっていたとするならば、 窒素分子は隕石や彗星に取り込ま…

プリオン感染の早期発見

症状があらわれる前に、 血液中のプリオンを検出する方法が開発された プリオンは、 BSEやヒトのクロイッフェルト・ヤコブ病などの プリオン病の原因となる感染物質と考えられている。 この感染物質は主に、 誤った折りたたみ構造のプリオンタンパク質(Pr…

細菌は植物の持つタンパク質を使い、植物の免疫をおさえるらしい

細菌との攻防戦をしいられているのは動物ばかりではない。 植物は細菌から身を守るため、独特の免疫系を発達させてきた。 しかし、敵も手ごわい。 細菌の一種「シュードモナス・シリンガエ」は、 タンパク質「HopM1」植物の細胞内に注入し、 植物の免疫系…

毒を消すしくみ

炎症を起こす細胞が、ヘビやミツバチの毒を破壊することがわかった ヘビやミツバチの毒は、世界中でいぜん高い致死率を人にもたらしている。 ヘビ毒が組織障害や死をもたらすしくみはくわしく調べられてきた。 ヘビ毒の多くの構成成分は哺乳類の「マスト細胞」に…

電気をよく通す新しい材料

炭素からなる素材には、 電気を通す性質(電気伝導性)が高いものがある。 「グラフェンシート」は、 原子一つ分の厚さをもつ炭素のシートで、 非常に高い電気伝導性をもち、 安くつくることができる。しかし、強度が低いので、応用するには、 たとえばポリス…

やわらかさがかわる素材

ナマコのようにくりかえしかたさをかえる素材が開発された。 Science2008年3月7日号 ナマコは、外皮の下にある「真皮」とよばれる部分のかたさを変化させることができる。 真皮は主としてコラーゲンの繊維からできており、コラーゲンの繊維どうしの相互作用…

立体動画を持ち運ぶ

映像が飛び出してみえる携帯ディスプレイが実現するかもしれない Nature2008年2月7日号 従来の立体映像(ホログラフィ)技術は、空中に立体を映しだし、物が実際にあるかのように見せることができる。 しかし、立体映像を動かしてみせることはできなかった。 …

生じた窒素の行方

人間の活動によって土壌に加えられた窒素は、川で取り除かれるらしい nature2008年3月13日号 化石燃料や肥料の使用などで、地球の土壌に加わる窒素の量が年々ふえている。 このように人為的に生じた窒素(主に硝酸)は、河川を通じて海へと運ばれ、富栄養化な…

不妊治療に新たな光明

卵細胞の早期放出を防ぐはたらきをもつタンパク質 が明らかになった Science2008年2月1日 女性の卵巣には、生まれた時点で、未成熟な卵細胞が将来必要になる分だけにすでに備わっている。 それらの卵細胞は、13歳ごろから成熟し始めて、閉経をむかえるまでゆ…

大気の汚染物質の分解

従来知られていなかった、二酸化窒素と水による生成反応がみつかった Science2008年3月21日号 「ヒドロキシルラジカル」は活性酸素の一種で、大気中の汚染物質を分解する“洗浄剤”としてのはたらきがある。これまで、大気にあるヒドロキシルラジカルの大部分…

空からのレーザーで森の地下にある遺跡の構造を復元

森に眠る古代遺跡を探せ これまで、森林地帯に良好な状態で埋まっている遺構をさがす方法として「航空レーザー測量(ALS)」が用いられてきた。 ALSは、飛行機から発したレーザーの反射から、地形を分析する方法である。従来のALSでは精度が悪く、正確に遺構を…

物質的な性質を変える

規則的な小さい穴をもったゲルマニウムは、新たな性質をもつ。 半導体の材料は ナノメートル(ナノは10億分の1)程度までサイズを小さくすると、 その物質的な性質が変わる。 これは粒子だけでなく、 ナノメートル規模の穴をもつ構造でもみられる現象である。 …

地球温暖化の一つの原因

飛行機雲による温暖化の効果は、冬の夜の運行で最も高くなるらしい。 飛行機雲は、 ジェット機の排気に含まれる水蒸気が凝結したもので、 氷の粒でできた雲のように働く。 通常の気象条件下では、 地球からの放射エネルギーと、太陽からの入射エネルギーはつり合っ…

生態系の変化

クモが獲物をとらえる方法次第で、生態系が変わるようだ Science2008年2月15日 アメリカエール大学のシュミッツ博士は捕食者の狩りの方法が生態系全体にあたえる影響を調べた。 クモは、巣で獲物を待ち伏せする種類と、移動して狩りを行う種類に分けられた。…

新しい発電方法

よりあわせたナノ繊維をひっぱって、電気を起こすことに成功した Nature2008年2月14日 身のまわりの機械エネルギーを電気エネルギーに変換することができれば、効率の良い発電が実現する。 アメリカジョージア工科大学のチン博士らは、酸化亜鉛でできた細い…

ミトコンドリアを持つ細胞では重度の突然変異は伝えない

ミトコンドリアには、突然変異を選択するしくみがあるようだ Science2008年2月15日 アメリカカリフォルニア大学のファン博士らは、 遺伝子の機能を完全になくす突然変異(ND6)と、遺伝子の機能が半分に低下する突然変異(COI)をマウスの生殖細胞におこさせた。…

ぐにゅぐにゅ曲がる耐久性のある回路

布のように柔らかい電子回路で「着る電子回路」が開発されるかもしれない もし軽くやわらかい電子回路ができれば、衣服やカバンに一体化させたコンピュータが可能になる。 このやわらかい電子回路は、すでに炭素や酸素からなる有機材料を用いているが、まだ…

DNAの二重らせんを形成し複製・コピーも行う、2種の化合物が誕生し

私たちが生きていくために必要な情報は、 特別な言語を使ってDNAの中に書き込まれている。 その言語はたった4種類の文字しかもたない。 A(アデニン)、 T(チミン)、 G(グニアン)、 C(シトシン) である。 理化学研究所横浜研究所ゲノム科学総合…

アリのすごさ・能力

アリは歩数をカウントすることで、歩いた距離をはかっているらしい。 サハラ砂漠のサバクアリは、 現在いる場所から、まっすぐすに帰る道を見つけることができる。 そのために必要な情報は、方角と巣からの歩行距離の二つある。 しかし、 どのようにして歩行距離を…

熱を電気に変える素材

効率よく熱で発電できる、シリコンのワイヤーが開発された。 火力発電は、石油などの燃料を燃焼させ、発生した熱を利用して発電する。 このとき30〜40%が電気になるが、残りの熱はむだになってしまう。 そのため、熱で電子が動く現象である「ゼーベック効果…

細菌は形を変えて身をかくす

細菌はべん毛の構造をかえて排除されにくくしていることがわかった 細菌は、べん毛の構造をかえて排除されにくくしていることがわかった。 ヒトなどの脊椎動物がもつタンパク質「TLR5」は、細菌がもつタンパク質「フラジェリン」認識する。 それをきっかけに…

がんの成長を支える細胞

がんが転移した際に必要となる、新たな血管をつくるための細胞が見つかった。 がん細胞が転移してできる小さな腫瘍が大きく成長するには、 新たな血管が形成され、より多くの酸素や栄養を得られるようになることが必要である。 転移したがんで血管を形成する…

アルコール依存に新対策?

ストレスに反応する神経系の研究をもとに、治療薬があ開発されるかもしれない アルコール依存症は、公衆衛生上の大きな問題であり新しい治療法が必要とされている。 最近の研究ではストレスに反応する神経系のシステムを調べることで治療法が開発できるかも…