プリオン感染の早期発見
症状があらわれる前に、
血液中のプリオンを検出する方法が開発された
プリオンは、
BSEやヒトのクロイッフェルト・ヤコブ病などの
プリオン病の原因となる感染物質と考えられている。
この感染物質は主に、
誤った折りたたみ構造のプリオンタンパク質(PrPsc)で構成されている。
PrPscは、
現段階で唯一信頼できるプリオン病の指標とされている。
しかし現在の手法でPrPscが検出できる濃度になるのは、
症状があらわれる直前の脳やリンパ組織のみである。
アメリカ、テキサス医科大学のサー博士らは、
プリオン病に感染させたハムスターの血液から、
症状があらわれる前のほとんどの時期でPrPscを検出することに成功した。
PrPscは、
正しい折りたたみ構造のプリオンタンパク質(PrPc)を、PrPscにかえる性質をもつ。
この変化を応用し、
試料中にある微量のPrPscを、PrPcを加えて増幅することで、
検出を可能にしたという。
今回の結果は、プリオン病の発症前初期診断に応用できるだろう、
と博士らはのべている。
◎ Science 2006年7月7日号
サイエンス月刊誌「NEWTONE」から
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