生態系の変化

クモが獲物をとらえる方法次第で、生態系が変わるようだ


Science2008年2月15日


 アメリカエール大学のシュミッツ博士は捕食者の狩りの方法が生態系全体にあたえる影響を調べた。


 クモは、巣で獲物を待ち伏せする種類と、移動して狩りを行う種類に分けられた。すると、待ち伏せグモがいる場合では植物の種類がふえ、移動グモでは逆の結果になった。


 待ち伏せグモが捕食者の場合、バッタはこれまで食べてきた植物ではなく、クモのすんでない安全な植物Aだけを食べるようになる。植物Aは支配的な植物なので、植物Aが減るとほかの植物が繁殖しやすくなり、植物の種類がふえた、と博士は考えている。


 捕食者の狩りのちがいは、直接の被食者の数だけでなく、ほかの生物にも影響することが明らかになった、と博士はのべている。


サイエンス月刊誌「NEWTON」から