DNAの遺伝情報がRNAに写し取られる際のミスを直す機構が解明さ
DNAが複製されたり、RNAに写し取られる(転写)とき、
その塩基配列が正確に写し取られることは非常に重要である。
DNAの複製ではミスを直す機構(校正機構)が知られている。
しかし、転写の際にはたらく校正機構の多くはこれまでなぞであった
アメリカ、ワクスマン研究所のゼンキン博士らは、
転写酵素である「DNA依存性RNAポリメラ−ゼ(RNAP)」が、
転写と同時に校正を行うことを発見した。
RNAPは「ヌクレオチド(RNA構成要素)」をつけてRNAを合成するだけでなく、
ヌクレオチドを取り除く機能ももつ。
通常この機能は弱く、RNAの合成を邪魔しない。
しかし間違ったヌクレオチドがつけられると、
そのヌクレオチドによりRNAPが活性化されて、
つけられたヌクレオチドが合成中のRNAから取り除かれることが
今回明らかになった。
このしくみは、
転写の基本的な校正機構として使われている、
と博士らは考えている。
◎ Science 2006年7月28日号
サイエンス月刊誌「NEWTONE」から
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