肥満にきく延命薬

ある化合物が、肥満マウスの寿命をのばす効果があるこおとがわかった。
Scientific Reports2011年8月18日


哺乳類の「Sirt1」という遺伝子は、加齢にともなう病気の発症を遅らせるなど、長寿効果にかかわるとされる。
この遺伝子を活性化する「SRTI1720」という人口化合物が知られているが、生物での実験の効果は不明だった。


アメリカ、国立衛生研究所のマイナー博士らは、高脂肪食で育てた肥満マウスにSRTI1720を投与したところ、
寿命が延びたことを報告した。肝臓の脂肪量が減少したり、代謝機能が正常化したりするなど、肥満のさまざまな悪影響が打ち消されたという。
SRTI1720は、細胞内でエネルギーをつくる小器官であるミトコンドリアのはたらきを間接的に高め、長寿につながる可能性も示された。


博士らは、ヒトでも同様の延命薬を開発できるかもしれない、とのべている。ただし、SRTI1720によって寿命がのびた肥満マウスであっても、正常なマウスよりは延命だったことに注意は必要だ、としてきされている。
「NEWTON」2011年12月号