高効率発電の妙案

回転軸が地面に垂直な風車で、風力発電所の能力が10倍になるかもしれない。
Journal of Renewable and Sustainable Energy 2011年7月号


風力発電に用いられる風車は回転軸が水平のものが一般的だ。
水平軸型は、発電効率は優れるが、風が乱され風車同士が干渉して効率が悪化するため接近させて並べることができなかった。


アメリカ、カリフォルニア工科大学のダビリ教授は、回転軸が垂直の風車に着目し、実験の風車6基を用いて、風車の間隔や配置による発電効率のちがいを調べる野外実験を行なった。
その結果、垂直軸型は水平軸型より単独での効率はおとるものの、風車どうしの干渉が小さく、同じ面積に設置できる数が大幅にふえることがわかった。
となりあう風車の回転方向を逆にすると効率は更に改善し単位面積あたりの発電量は水平軸型の10倍に達するという。
水平軸型、直径100メートルをこす巨大風車もざらだが、製造費や騒音、景観への影響などが問題となっている。
博士らは、垂直軸型風車でこのような問題も全て解決できると述べている。
「NEWTON」2011年12月号