予期せぬ素粒子

従来の物理学をかえてしまう可能性のある素粒子があらわれたかもしれない。
Familab Today2011年4月7日


物質の材料である素粒子の性質は、多くの実験によって検証を受けた「標準理論」で説明される。
この理論では、物質のもつ質量にかかわる「ヒッグス粒子」が登場する。しかし、実はこのヒッグス粒子は未発見だ。
ヒッグス粒子は、陽子などの粒子どうしを超高速で衝突させると生じる可能性がある。
そのため、世界各地で粒子の衝突実験が進行中だ。


フィンランドヘルシンキ大学のアールトネン博士らは、アメリフェルミ国立加速器研究所加速器「テバロン」による陽子と反陽子(負の電荷をもち、陽子と同じ質量の粒子)の衝突実験で得られた膨大なデータを解析した。
その結果、未知の予期せぬ素粒子の存在が示された。この素粒子ヒッグス粒子ではなく、標準理論で説明できないものだという。
つまり、新しい物理学の誕生につながるかもしれないのだ。ただしこの結果の真偽を確かめるため、更なるデータの蓄積が必要だ、と博士らは述べている。
「NEWTON」2011年6月号