窒素で性能アップ

既存の太陽電池に窒素を加えるだけで、高効率な太陽電池ができた。
Phisical Review Letters2011年1月14日号


太陽電池は太陽光エネルギーを電気エネルギーに変換する。
近年、素材をかえた複数の太陽電池を組み合わせることで40%をこえる高いエネルギー変換効率が実現されている。
一つの太陽電池は、紫外線や可視光などさまざまな波長の光を含む太陽光のうち、一部の波長のみ利用する。
そのため、多種を重ねれば吸収する光の波長の領域が広がり、高効率が達成されるのだ。
だが、このような太陽電池の製造は複雑で高価であった。


アメリカローレンスバークレー国立研究所のロペス博士らは、ガリウムヒ素でできた従来の安価な太陽電池に窒素を注入するだけで、吸収する光の波長が3倍も広がることを見いだした。
これは、窒素原子が電子配置を大きくかえ、電気エネルギーとして取りだせる電子の数を増やすからだという。
今回の成果をさらに発展させ、高効率な太陽電池の実用化をめざしたい、と博士らはのべている。
「NEWTON」2011年5月号