息を止めないで
睡眠中に死亡した場合、死因は心不全とされることが多いが、
一部は睡眠時無呼吸症候群が本当の原因かもしれない。
睡眠中に呼吸が中断する病気だ。
脳幹には「内呼吸性ニューロン群」という呼吸に不可欠な領域がある。
ラットの内呼吸性ニューロン群に限定的に作用する神経毒を注入したところ、
数日後に呼吸障害が現れた。
最初はレム睡眠中に生じ、
それからノンレム睡眠中や覚醒中にも呼吸障害が起こるようになった。
高齢のラットや神経変性障害を抱えた固体では、
呼吸の中断がより頻繁にみられたという。
病気や加齢によって内呼吸性ニューロンが減ると
睡眠中の呼吸停止が増え、
ついには二度と目覚めることができなくなるのだろうと
研究チームは推測している。
月刊誌「日経サイエンス」から