空気中からCO2を抜き取る

空気中からCO2を抜き取る


銅の複合体を利用して二酸化炭素を有益な化合物にすることが可能になった。
Science2010年1月15日号



人類の活動で、温暖化の原因となる二酸化炭素が大気中に大量に放出され、世界的な問題になっている。
そこで空気中から二酸化炭素を取りだし、有益な化合物を合成する研究が行なわれている。


これまでの研究では、多くの場合、酸素が邪魔をして二酸化炭素を取りだすのはむずかしかった。
また、二酸化炭素を取りだせても、高いコストがかかっていた。
オランダライデン大学のアンガムチュ博士らは、酸素よりも二酸化炭素とよく反応する「銅複合体」を発見した。


この銅複合体は、銅の化合物に別のイオンや分子が結合したものだ。
これを利用すれば、染料や漂白剤として用いられる「シュウ酸塩」を安価につくることができるという。
また、この銅複合体は、電気的な処理をほどこすことで、6回くりかえして利用できることがわかった。
金属の複合体の研究を進めれば、アルコールなどのさらに役に立つ化合物をつくれるようになるだろう、と博士らは主張している


「NEWTON」2010年5月号から