走り方の進化?退化?

走り方の進化?退化?
靴をはくようになったことで、人類の走り方が変化していったようだ。
nature2010年1月28日号


人類が靴をはくようになったのは、歴史上、つい最近のことである。
現在に至るまでの大部分の期間、人類ははだしに近い状態で歩いたり、走ったりしてきた。
アメリハーバード大学リーバーマン博士らは、アメリカ人とケニア人の中からふだん靴をはく習慣がある人と、はく習慣がない人を選び、走り方のちがいを調べた。


すると、ふだんからはだしの人は、はだしで走っても靴をはいて走っても、かかとより先につま先から着地する傾向があった。
それに対し、靴をはく人は、はだしでも靴をはいていてもかかとから先に着地していた。
地面から伝わる衝撃の強さを測定すると、つま先から先に着地したほうが、かかとから先に着地するよりも衝撃が少ない。
ふだんはだしの人は、自然と足に負担がかかりにくい走り方をしているようだ。


靴をはくようになる前、多くの人類はつま先から先に着地する走り方だったのではないか、と博士らは推測している。
「NEWTON」2010年5月号