免疫と「衛生仮説」
日本では感染症として非常に患者の多かった結核の患者数が
1960年代半ばから激減するとともに、
アレルギー疾患の増加が見られるようになった。
私たちは和歌山県で12〜13歳の児童の
ツベルクリン反応(ヒト結核菌感染診断のための皮膚試験)、
免疫反応とアレルギー疾患の関連を調査した。
その結果、ツベルクリン反応が陽性、つまり体内に結核菌を持つ児童は
Th1とTh2のバランスが正常に保たれていた。
一方結核菌をもたない児童は免疫バランスがTh2に崩れており、
アレルギー疾患にかかりやすい状態であることがわかった。
英国やオーストラリア、香港などでも同じような結果が得られている。
「日経サイエンス」から