ナノレベルの大きさのちがいをより分ける、高性能なフィルターが開発
小さなゴミやホコリを取り除くフィルターは、水道の蛇口など、身の回りでよく見かける。
工業用には、特殊な樹脂でできたフィルターが使われる。
これまでは、目を細かくすれば溶液の透過速度が遅くなり、
目を粗くすれば除去性能が劣化してしまう、という問題があった。
アメリカ、ローレンスリバモア国立研究所のホルト博士らは、
カーボンナノチューブによる高性能フィルターの開発に成功した。
博士らは、シリコン基板に特殊な触媒を塗り、
その触媒から、すき間なく多数のカーボンナノチューブを成長させた。
実際の結果、
小さな口径のカーボンナノチューブがフィルターとなり、
2ナノメートル(ナノは10億分の1)の大きさの微粒子をほぼ除去できた。
そのうえ、1000倍以上の速さで液体が透過したという。
今回の成果は、医療や産業への応用を加速させるだろう、
と博士らはのべている。
サイエンス月刊誌「NEWTONE」から