わずか30個の原子という微小重量の測定に,世界で初めて成功した

  ナノテクノロジー(ナノは10億分の1)は、
半導体や高機能材料だけでなく,原子レベルの微小な重量を
                 測定する技術にも役立っている。
    原子レベルの重さが測定できると,
     DNAなどの生体分子1個の重量分析が可能になるという。


アメリカ、カリフォルニア工科大学のロークス博士らは,
 原子の数がわずか30億文という、微小重量の測定に成功した。
博士らは、
断面がナノメートルサイズの炭化ケイ素のワイヤーを、
絶対温度で46K(マイナス227度c)という低温環境下におき、
細かい管で「ゼノンガス」を吹きかけた。


その結果、ワイヤーのわずかな振動の変化を検出したという。
これは、数値に換算すると、7ゼプトグラム(ゼプトは1兆分の1ナノ)、
すなわち、ゼノン原子わずか30個分の重さに相当するという。


  博士らは、装置をさらに改良して、
     今後2年以内に水素原子1個の重量測定を可能にしたい、
                         とのべている。


            ◎ Science 2006年5月5日号


サイエンス月刊誌「NEWTONE」から