殺菌効果のある波長の短い紫外線を出す発光ダイオードが開発された。

         太陽から放射される紫外線の中で、
      最も波長が短い「UVC」はオゾン層で完全に遮断され、
         地表に届かない。


そのため、地球上の生物はUVCへの耐性を全く持っていない。
このUVCを人工的に生み出すことで、
細菌や有害物質の殺菌や浄化に利用しようという試みがなされてきた。


     従来はUVCランプが一般的に用いられてきた。
しかし、
 電圧を高くする必要があり、
   そのうえ水銀などの有害物質が使われているため、
     利用法が限られていた。


    そこで注目されたのが、
       近年産業化が進んでいる発光ダイオードである。


発光ダイオードは、低い電圧で光を出すことができる。
このたびNTT物生化学基礎研究所の谷保(たにやす)博士らは、
窒化アルミニウムを材料として、製造過程を工夫することにより、
       UVCを出す発光ダイオードの開発に成功した。


今回の成果は、
有害物質であるダイオキシンの分解などにも利用でき、
         環境に与える影響も少ない、と博士らはのべている。


             nature 2006年5月18日号



サイエンス月刊誌「NEWTONE」から