ある密度まで集まると、イナゴは統一性のある動きをとり始めるらし
砂漠にすむイナゴは集団で農作物を襲うことがある。
このとき、彼らは秩序ある行動パターンをとる。
集団で移動するほかの生物にもみられるように、
集団内の密度が高くなると、ばらばらだった個々の動きが、
全体的にまとまった動きへと急激に変化するのだ。
これは集団内の各個体が、
となりにいる個体に動きの速度や方向を
合わせるためと考えてられている。
イギリス、オックスフォード大学のプール博士らは、
集団の動きが切りかわる集団密度の値を突き止めようと、
イナゴの密度をかえてその動きを観察した。
そして、
1平方メートルあたり20匹の密度となるとき、
ばらばらだった集団の動きがまとまった動きになることを明らかにした。
さらに博士らは、
この集団の進む方向が突然かわる様子を観察し、
方向に関する情報は集団内ですばやく伝達されている、
と推測している。
今回のモデルは、イナゴの襲来を予測する助けとなるかもしれない、
と博士らはのべている。
●Science 2006年6月2日号
月刊誌「NEWTONE」から