コーヒーにミルクを混ぜてしまっても、ある条件では元通りにできるら
コップが割れる、コーヒーにミルクを入れて混ぜる、
といった現象は、一度おきると元にはもどらない現象
だと考えられている。
映画ではフィルムを逆回しにすると簡単に元にもどせるが、
現実の世界では、不可能に近い。
アメリカ、カリフォルニア大学のパイン博士らは、
コーヒーにミルクを混ぜるという不可逆的な減少でも、
ある条件で元通りにできることを見いだした。
博士らは、
二つの同心円筒の間に粘性流体を入れ、
内側の円筒をまわして流体を回転させた。
その中に高分子の微粒子を入れ、粒子の拡散の様子を観察した。
すると、
微粒子どうしが衝突しない程度の少量のとき、
円筒を逆回転させれば、微粒子の運動が元にもどったという。
微粒子の種と角度合いが、元にもどるか、もどらないかを
決める主要因になるという。
博士らは、
今までは実験室で行われていた混濁薬剤の調合や造血といった
混濁溶液の処理の大規模化を可能にするかもしれないとのべている。
●nature 2005年12月15日号
月刊誌「NEWTONE」から