幾何学センスは生まれつき?
一般的に人間は誰でも、
その言語能力や学校教育のいかんを問わず、
幾何学に関する直感的な感覚をもっているとされるが、
これまでなかなか検証できなかった。
フランス、フレデリック・ジョリオ病院のデハーネ博士らは、
南米アマゾンで外部から孤立して生活する先住民たちに
言語を使わない実験を試み、
彼らの幾何学概念の直感性を確かめることに成功した。
博士らによると、
先住民は大人も子供も、点と直線あるいは平行と直角といった
基礎的な幾何学概念を自然と利用しながら、
単純な絵の中から矛盾したものを見つけることができたという。
また、
先住民は地図上の距離、角度、向きなどの幾何学的関係をもとに、
特定の地点を探し出すこともできるらしい。
この結果、
学校教育を受けていなかったり、図形記号や地図を知らなくても、
さらには幾科学用語の高度な知識がなくても
幾何学的な直感は人間に普遍的にそなわっている、
と博士らはのべている。
●Science 2006年1月20日号
月刊誌「NEWTONE」から