エアロゾルの間接効果は温室効果ガスの効果に匹敵するほど大きいらし
過去数十年にわたって観測されてきた北極域の海氷の減少は、
これまで温室効果ガスの直接的な影響によるものと考えてれてきた。
アメリカ、カリフォルニア大学サンディエゴ校のルービン博士らは、
アラスカの観測所で得られたデータをもとに、
さまざまな雲物理量と放射エネルギーの関係を調べた。
すると、
北極域の温暖化には、空中を浮遊する微粒子「エアロゾル」も
大きな影響を及ぼしていることが明らかになった。
エアロゾルは自らが太陽光を反射するだけでなく、
水滴の核として雲を形成し、地球−大気系の放射収支に間接的に影響する。
また、
エアロゾルが核となると雲の粒子の径が小さくなり、
赤外域の放射が増加することが知られている。
博士らの研究は、
このような間接効果が北極域で生じていることを
明らかにしたものである。
博士らによると、
エアロゾルの間接効果は温室効果ガスの効果に匹敵し、
北極域の気候にあたえる影響は極めて大きいらしい。
●nature 2006年1月26日号
月刊誌「NEWTONE」から