植物からの燃料生産は、よりエネルギーがかかるという意見が否定され
石油や石炭は限られた資源であり、
便利さの反面、環境問題を引き起こす原因でもある。
そのため、バイオマス(生物資源)が注目されている。
トウモロコシなどから作成するエタノールは、
液体燃料としてすでに使用中である。
しかし総合的に考えると、
エネルギーを取り出す過程でより多くのエネルギーを必要とする
という否定的な分析結果がある。
アメリカ、カリフォルニア大学のファレル博士らは、
さまざまな側面から厳密に分析評価し、
そのような研究そのものに、データが古かったり、
バイオマスによる環境効果が十分評価されていなかったりする
問題点が多いことを発見した。
そして、
現在主流のトウモロコシなどからのエタノール生産によって
石油だけにたよるガソリン生産を
かなりおさえることができることを示した。
しかし、
燃料エタノールが温暖化ガス放出を大幅に減少させるためには、
さらに新しい生産方式が必要だ、と博士らは考えている。
●Science 2006年1月27日号
月刊誌「NEWTONE」から