コレラ菌の環境での生存とヒトへの感染にかかわる因子は同じことがわ

      病気の原因となる細菌の多くは、
      宿主の内部と外部で生存できなければならない。
         コレラ菌は水中環境に存在し、
         しばしば動物プランクトンに付着してみつかる。
動物プランクトンに付着することで、
栄養を確保し、外的から身を守り、生存率を高めていると考えられる。
    人体に入ると、
    コレラ菌のいくつかの型は下痢性の疾患をおこさせる。
    相当量のコレラ毒素が腸上皮に到達して症状を生むには、
    小腸への定着が起きなければならない。


アメリカ、ダートマス医科大学のキルン博士らは、
  環境中で選択された定着因子と、
  人間の腸に定着するのに
    必要な因子は同じものであるに違いないと考えた。

博士らは、
コレラ菌が腸へ定着するのに必要な一つのたんぱく質を同定し、
それが動物プランクトン表面と人間の腸細胞表面の両方に存在する糖鎖に
統合することを明らかにした。
     このタンパク質が両者への付着を媒介しているらしい、
                     と博士らはのべている。


                ●nature 2005年12月8日号



月刊誌「NEWTONE」から