音で治療?

一方通行する音波


音波をある方向にだけ通過させる新しい装置をつくることができるようだ
Phsysical Review Letters2009年9月4日号


半導体でできた「ダイオード」は、
電気の流れを一方通行に制限する機能をもち電子製品にはなくてはならない電子部品である。


それでは、電気ではなく音波を一方向にだけ通過させる部品は作れるだろうか?
中国、南京大学のリャン博士らは、水やガラスなどのよく知られた数種類の物質を積層構造にすることで、音波のダイオードができることを理論的な解析ではじめて示した。


特定の方向からこの部品に音波を当てると、音波の強さが10万分の一以下に減衰する。
この現象は積層構造によって空気の振動が打ち消しあったり、強めあったりすることで起きるという。


この新しい部品は、現在は限られた周波数の音波でしか効果を発揮できないが、将来的には超音波で病巣などを粉砕する精密照射が必要な医療用機器などに応用できると博士らは述べている。
「NEWTON」2010年01月号から