短い睡眠で平気なわけ

睡眠時間短い家系を分析した結果、特徴的な遺伝子の変異が見つかった
Sciende2009年8月14日号


睡眠不足は健康を害し、認知能力や判断力を下げてしまうことがある。
睡眠時間を調節する遺伝子がいくつかの動物で特定されているが、ヒトではまだそのような遺伝子は見つかっていない。


アメリカカリフォルニア大学のヒー博士らは、
睡眠時間が短いという特徴を持つ親子とその家系について遺伝子の分析を行なった。
その結果「DEC2」という遺伝子に変異があると睡眠時間が短くなることを明らかにした。
DEC2は体内時計の調節に関わるとされる遺伝子である。


人為的に同じ遺伝子変異を起こしたマウスをつくり、通常のマウスと比較したところ、変異マウスは確かに睡眠時間が短くなっていた。
今回の遺伝子変異が、睡眠の質にどう影響するのかは、まだよくわかっていない。
ただ、今後ヒトの身体的および精神的な健康における睡眠の効果を明らかにするために今回つくられた変異マウスは良いモデルとなるだろう、と博士らは期待している。


「NEWTON」2009年12月号から