寿命延長を確認

寿命延長効果を確認


酵母などで確認されていた寿命を延ばす薬の効果が
哺乳類でも実証された。
nature2009年7月16日号


ヒトの免疫反応を抑制する薬剤「ラパマイシン」は、細胞が栄養状態を感知するしくみである「TOR経路」を阻害する。
酵母や線虫などの無脊椎動物において、TOR経路を阻害すると寿命がのびることが分かっているが、哺乳類でも同様に寿命がのびるかどうかは不明だった。


アメリカジャクソン研究所のハリソン博士らは、
高齢のマウスにラパマイシンをあたえ寿命の変化を観察した。


その結果ラパマイシン投与によって、全体の9割に及ぶ固体で寿命の延長が確認された。
ラパマイシンを投与しないグループにくらべ、平均寿命は雌で14%、雄で9%長くなった。
なお、薬の投与の有無によって、かかる病気の種類は特に変わらなかった。


寿命がのびた理由について、
がんの発生と進行をおさえる、または老化を遅らせる、あるいはその両方の作用が働いている為なのかもしれない、と博士らは推測している。
「NEWTON」2009年11月号から