地球の大気はどこから?

現在の大気は誕生直後の融解した地球内部から脱ガスしたものではないらしい。
Science2009年12月11日号


地球の大気がどこからやってきたのかはよくわかっていない。
可能性の一つは「脱ガス説」である。誕生直後の地球表面は、無数の隕石の衝突により融解していた考えられている。


脱ガス説は、このとけた隕石から放出された揮発性成分が大気となったというものだ。
もしそうならば、現在も地球内部に残る揮発性成分と大気の成分に関連性があるはずである。
イギリスマンチェスター大学ホランド博士らは、地下深くから噴出する火山ガス中の希ガス同位体比(陽子の数が同じで中性子の数がことなる元素の比)調べた。
その結果、その同位体比はある種の隕石に含まれる希ガス同位体比と関連性があることがわかった。これは現在の地球大気の同位体比とは大きくことなる。


これらのことから、現在の大気のもとになった揮発性成分は、融解した地球内部からではなく、地表が冷え固まったあとに彗星の衝突などによって供給されたのだろう、と博士らは考えている



「NEWTON」2010年4月号から