肥満解消遺伝子を発見?

脳ではたらくFoxa2遺伝子を活性化すれば、肥満を解消できるかもしれない。
nature2009年12月3日号


脳の「視床下部」は、食欲の調節にかかわる「オレキシン」や「MCH(メラニン凝集ホルモン)」といった化学物質を体内に放出している。
これらの化学物質が放出されると、食欲が出て、えさを求めて活発に活動するようになる。
オレキシンやMCHの量を調節するしくみは、まだ十分に解明されていない。


アメリロックフェラー大学のシルバ博士らは、視床下部ではたらく「Foxa2」という遺伝子が、オレキシンおよびMCHの量を調節していることを明らかにした。
遺伝子操作によってFoxa2がつねに活性化されたマウスは、通常のマウスとちがい、えさを食べたあともオレキシンとMCHの量は減らなかった。
その結果、食後も活発に活動するようになり、全体の食事量は増えたものの、脂肪は減り、筋肉はふえた。
Foxa2を活性化し活動量を増やす薬が開発されれば、肥満を解消することができるかもしれない。と博士らは期待している


「NEWTON」2010年4月号から