悪い方へ考える人、良い方へ考える人

良いことに気づいて喜ぶ楽観的な人と、 悪いことを重く受け止めて悩む悲観的な人 人間はこのどちらかに偏っている。 あなたはネアカだろうかネクラだろうか。 ある一般的な遺伝子変異がそうした傾向の根底をなしているらしい。 英エセックス大学の科学者たち…

塗装膜がひっかき傷を自分で治す

傷つけられても紫外線を浴びるだけで傷が治る膜が開発された。 車や電気製品など身のまわりの機械は表面を保護膜でおおわれていることが多い。 これは、さびなどから機械を守る効果がある。 ただしこれらの膜は、一度傷がつくと、傷からさびが広がるため、塗…

毛虫だって自分で病気を治す

虫下し 薬草を見つけ出す能力は高度な 脳を持つ生物に限られるとみられていた。 例えば調に寄生虫を抱えたチンパンジーは毛の生えた葉をのみ込んで寄生虫を追い出す。 しかしウェスリアン大学の研究者たちが、ある毛虫も病気を自分で治療することを発見した…

ダイヤよりかたい物質

理論的にはダイヤをしのぐかたさをもった物質を生成できるようだ。 ダイヤモンドはもっともかたい物質であり研磨材料として工業的に広く用いられている。 特殊な結晶構造により炭素原子が強く結びついているからだ。 最近の研究によると、天然の「ウルツ鉱」…

白金のかわりとなる材料

燃料電池は触媒として白金を使っている。 しかし白金は非常に高価であるため白金と同等の性質をもつ安価な物質が求められてきた。 アメリカデートン大学のゴング博士らは 窒素原子を添加し、垂直に並ぶように成長させた「カーボンナノチューブ」が白金に匹敵…

細菌が金粒子をつくる証拠

細菌が有毒金属イオンから金粒子をつくる証拠を得たらしい 「一獲千金」という言葉に象徴されるように、 金は昔から人々を魅了しつづけてきた。 化合物としてでなく単体として存在する金の起源については さまざまな説があるが、近年微生物による単体の金精製…

大腸菌がくっつくしくみ

毒素性大腸菌のべん毛が小腸の細胞に接着するしくみが明らかになった 大腸菌やピロリ菌などの「グラム陰性菌」とよばれる細菌には、 下痢などを引きおこす病原性のものがいる。 毒素性大腸菌では、「べん毛」が小腸の「上皮細胞」と接着することで下痢を引き…

十字軍の汚名返上

ハンセン病は十字軍の遠征以前から東ヨーロッパに存在したらしい。 ハンセン病は現代、主に熱帯地域で感染し、 治療可能な伝染病として知られている。 しかし、中世ヨーロッパでは不治の病としておそれられていた。 そしてハンセン病は、12世紀に中東方面へ遠…

粘着式ゴキブリ除去の要領で細菌除去

導電性ポリマーでできた中空カプセルを使うと、 粘着式ゴキブリ駆除器に似た要領で細菌を退治できるかもしれない。 細菌は全体として負の電荷を帯びているので、 正電荷を持つこの罠から帯びている薄板やフィラメントにくっついて離れられなくなる。 カプセ…

蚊がウィルスを切り刻む

蚊とウィルスの戦い ウェストナイル熱やデング熱などの致死性ウィルスを媒介する蚊が、 自分自身はウィルスにやられないのはなぜか? ウィルスと蚊が仲良く共生するように進化したというのが、有力な説だ。 しかし、真実はまったく逆であることを昆虫学者た…

地球を冷やすエアロゾル

大気汚染を起源とするエアロゾルによって、雲の量がふえるらしい エアロゾルは大気汚染などが原因で生じる微粒子で、 温室効果ガスと同様に地球の温暖化に大きな影響をもつ といわれている。 エアロゾルには、 太陽光を吸収し気温を上げる効果と、 雲の発生を…

ゴーという不思議な音の解明

今までなぞだった、 砂丘で聞こえる音が生みだされる仕組みが解明された 砂丘にたたずむと、 あたかも低空飛行する飛行機のエンジン音のように、 ゴーという不思議な音が聞こえることがあるという。 その音は大きく、音源から10キロメートルはなれていても…

DNAの遺伝情報がRNAに写し取られる際のミスを直す機構が解明さ

DNAが複製されたり、RNAに写し取られる(転写)とき、 その塩基配列が正確に写し取られることは非常に重要である。DNAの複製ではミスを直す機構(校正機構)が知られている。 しかし、転写の際にはたらく校正機構の多くはこれまでなぞであった アメリ…

宇宙での窒素の形

酸素が少ないとき、窒素は分子ではなく原子のままでいるらしい 窒素は分子の形になると非常に安定で、 地球の大気中ではほとんどが分子になっている。 もし、太陽系が形成された時にも、窒素が分子になっていたとするならば、 窒素分子は隕石や彗星に取り込ま…

プリオン感染の早期発見

症状があらわれる前に、 血液中のプリオンを検出する方法が開発された プリオンは、 BSEやヒトのクロイッフェルト・ヤコブ病などの プリオン病の原因となる感染物質と考えられている。 この感染物質は主に、 誤った折りたたみ構造のプリオンタンパク質(Pr…

細菌は植物の持つタンパク質を使い、植物の免疫をおさえるらしい

細菌との攻防戦をしいられているのは動物ばかりではない。 植物は細菌から身を守るため、独特の免疫系を発達させてきた。 しかし、敵も手ごわい。 細菌の一種「シュードモナス・シリンガエ」は、 タンパク質「HopM1」植物の細胞内に注入し、 植物の免疫系…

毒を消すしくみ

炎症を起こす細胞が、ヘビやミツバチの毒を破壊することがわかった ヘビやミツバチの毒は、世界中でいぜん高い致死率を人にもたらしている。 ヘビ毒が組織障害や死をもたらすしくみはくわしく調べられてきた。 ヘビ毒の多くの構成成分は哺乳類の「マスト細胞」に…

電気をよく通す新しい材料

炭素からなる素材には、 電気を通す性質(電気伝導性)が高いものがある。 「グラフェンシート」は、 原子一つ分の厚さをもつ炭素のシートで、 非常に高い電気伝導性をもち、 安くつくることができる。しかし、強度が低いので、応用するには、 たとえばポリス…

やわらかさがかわる素材

ナマコのようにくりかえしかたさをかえる素材が開発された。 Science2008年3月7日号 ナマコは、外皮の下にある「真皮」とよばれる部分のかたさを変化させることができる。 真皮は主としてコラーゲンの繊維からできており、コラーゲンの繊維どうしの相互作用…

立体動画を持ち運ぶ

映像が飛び出してみえる携帯ディスプレイが実現するかもしれない Nature2008年2月7日号 従来の立体映像(ホログラフィ)技術は、空中に立体を映しだし、物が実際にあるかのように見せることができる。 しかし、立体映像を動かしてみせることはできなかった。 …

生じた窒素の行方

人間の活動によって土壌に加えられた窒素は、川で取り除かれるらしい nature2008年3月13日号 化石燃料や肥料の使用などで、地球の土壌に加わる窒素の量が年々ふえている。 このように人為的に生じた窒素(主に硝酸)は、河川を通じて海へと運ばれ、富栄養化な…

不妊治療に新たな光明

卵細胞の早期放出を防ぐはたらきをもつタンパク質 が明らかになった Science2008年2月1日 女性の卵巣には、生まれた時点で、未成熟な卵細胞が将来必要になる分だけにすでに備わっている。 それらの卵細胞は、13歳ごろから成熟し始めて、閉経をむかえるまでゆ…

大気の汚染物質の分解

従来知られていなかった、二酸化窒素と水による生成反応がみつかった Science2008年3月21日号 「ヒドロキシルラジカル」は活性酸素の一種で、大気中の汚染物質を分解する“洗浄剤”としてのはたらきがある。これまで、大気にあるヒドロキシルラジカルの大部分…

空からのレーザーで森の地下にある遺跡の構造を復元

森に眠る古代遺跡を探せ これまで、森林地帯に良好な状態で埋まっている遺構をさがす方法として「航空レーザー測量(ALS)」が用いられてきた。 ALSは、飛行機から発したレーザーの反射から、地形を分析する方法である。従来のALSでは精度が悪く、正確に遺構を…

物質的な性質を変える

規則的な小さい穴をもったゲルマニウムは、新たな性質をもつ。 半導体の材料は ナノメートル(ナノは10億分の1)程度までサイズを小さくすると、 その物質的な性質が変わる。 これは粒子だけでなく、 ナノメートル規模の穴をもつ構造でもみられる現象である。 …

地球温暖化の一つの原因

飛行機雲による温暖化の効果は、冬の夜の運行で最も高くなるらしい。 飛行機雲は、 ジェット機の排気に含まれる水蒸気が凝結したもので、 氷の粒でできた雲のように働く。 通常の気象条件下では、 地球からの放射エネルギーと、太陽からの入射エネルギーはつり合っ…

生態系の変化

クモが獲物をとらえる方法次第で、生態系が変わるようだ Science2008年2月15日 アメリカエール大学のシュミッツ博士は捕食者の狩りの方法が生態系全体にあたえる影響を調べた。 クモは、巣で獲物を待ち伏せする種類と、移動して狩りを行う種類に分けられた。…

新しい発電方法

よりあわせたナノ繊維をひっぱって、電気を起こすことに成功した Nature2008年2月14日 身のまわりの機械エネルギーを電気エネルギーに変換することができれば、効率の良い発電が実現する。 アメリカジョージア工科大学のチン博士らは、酸化亜鉛でできた細い…

ミトコンドリアを持つ細胞では重度の突然変異は伝えない

ミトコンドリアには、突然変異を選択するしくみがあるようだ Science2008年2月15日 アメリカカリフォルニア大学のファン博士らは、 遺伝子の機能を完全になくす突然変異(ND6)と、遺伝子の機能が半分に低下する突然変異(COI)をマウスの生殖細胞におこさせた。…

ぐにゅぐにゅ曲がる耐久性のある回路

布のように柔らかい電子回路で「着る電子回路」が開発されるかもしれない もし軽くやわらかい電子回路ができれば、衣服やカバンに一体化させたコンピュータが可能になる。 このやわらかい電子回路は、すでに炭素や酸素からなる有機材料を用いているが、まだ…