C型肝炎の新しい治療法

C型肝炎の新たな治療法 合成核酸を使えば、C型肝炎ウィルスを副作用なしに減らせるかもしれない Science2010年1月8日号 世界中で1億7000万人以上の人が、肝がんなどを発症する危険性を高める「C型肝炎ウィルス(HCV)」に感染している。 現在の標準的なHCVの治療…

空気中からCO2を抜き取る

空気中からCO2を抜き取る 銅の複合体を利用して二酸化炭素を有益な化合物にすることが可能になった。 Science2010年1月15日号 人類の活動で、温暖化の原因となる二酸化炭素が大気中に大量に放出され、世界的な問題になっている。 そこで空気中から二酸化炭素…

なぜヒトだけ無毛になったのか

哺乳類を「けもの」ともいうが、これは「毛のもの」の意味。 身体が毛で覆われているのは哺乳類の特徴といってもいい。 ただし例外がある。スベスベした滑らかな皮膚を持つ動物、つまり私たちヒトだ。 「イルカやクジラも毛がないではないか?ゾウやサイもそ…

音波を拡大するレンズ

微弱な音波の画像を鮮明に拡大するレンズがはじめて開発された nature materials2009年12月号 海中探査には音波探知機が広く使われている。 電波や光では海水中で急速に減衰してしまう。 ただし、音波の波長は長いので鮮明な画像を得ることは原理的にむずか…

肥満解消遺伝子を発見?

脳ではたらくFoxa2遺伝子を活性化すれば、肥満を解消できるかもしれない。 nature2009年12月3日号 脳の「視床下部」は、食欲の調節にかかわる「オレキシン」や「MCH(メラニン凝集ホルモン)」といった化学物質を体内に放出している。 これらの化学物質が放出される…

水でできた惑星を発見

太陽系の近くに、密度が水の2倍程度しかない系外惑星が発見された。 nature2009年12月17日号 太陽以外の惑星をまわる「系外惑星」は、すでに400個以上が発見されている。 系外惑星の観測方法は、惑星の公転による中心星のふらつきをはかるものと、惑星が中…

地球の大気はどこから?

現在の大気は誕生直後の融解した地球内部から脱ガスしたものではないらしい。 Science2009年12月11日号 地球の大気がどこからやってきたのかはよくわかっていない。 可能性の一つは「脱ガス説」である。誕生直後の地球表面は、無数の隕石の衝突により融解して…

地中海を生んだ大洪水

533万年前、乾燥した深い盆地に大西洋から海水が流入し地中海が出没した。 nature2009年12月10日号 今から約560万年前、地中海は海水がまったくない乾燥した巨大な盆地であった。 ところが約533万年前、大西洋の海水が突然盆地に流れこみ、地中海が出没した…

細菌で虫歯予防

世界を変えるアイデア 口内のミュータンス連鎖球菌は、糖をエナメル質を侵す乳酸に変えて虫歯を作る。 フロリダのオランジェニクス社は、遺伝子組み換え技術を用いて、糖を乳酸でなく微量のアルコールに変える新種の細菌を作り出した。 この新種の菌は天然の…

安価で迅速な止血法

世界を変えるアイデア もし止血をとめるもっと効果的で安価な方法があったら、ケガ人が救急車で病院に運び込まれる前に出血多量で死んでしまう例を最大35%減らせるだろう。 メリーランド大学のスピンオフベンチャー、トラウマ・ソリューションズ社は最近、…

成層圏で風力発電

スタンフォード大学によれば、高度数千mの上空を吹いている構想風のエネルギーは、人類が消費する全エネルギーの100倍以上になると言う。 カリフォルニアのスカイウィンドパワー社は、地上からワイヤで繋いだ巨大な風車を空中に並べ高層風のエネルギーを取…

“ホット”な核燃料

これからの注目のアイデア 原子力発電の燃料となるのは、ウラニウムとプルトニウムだけではない。 トリニウムは従来の核分裂物質で“着火”としてやることで持続的な自己「増殖」反応を起こし、原子力発電に適したウラン233を生成する。 最終生成物はガンマ…

省エネを情報技術で!!

これまでの研究から利用者にエネルギー消費量を知らせるだけで、エネルギー消費は5〜15%減ることが分かっている。 スマートメーターは、エネルギー消費量を分刻みに、また使用している機器別に表示する電気メーターだ。 米国の数多くのベンチャー企業が販売…

ガソリンの畑

バイオ燃料の次の目標は畑でガソリンをつくることだ。 通常の代謝副産物として炭化水素を作り出せるような遺伝子組み換え植物を開発する。 最終目標は太陽とCO2だけを使って燃料を作り出すことで、普通のガソリンを作らせる子も夢ではない。 エクソンモービ…

微生物がスイスイ泳ぐわけ

微生物は、周囲の液体をさらさらにして、効率よく泳ぐことがわかった。 Physical Review Letters2009年10月2日 バクテリアなどの微生物は、生体内の溶液でスイスイ泳いでいる。 微生物が粘性の大きな生体溶液の中を泳ぐには、大きな推進力が必要だ。 これま…

睡眠不足がおこす記憶障害

短時間の断眠によって記憶や学習に障害が生じるしくみが明らかにされた。 近年多くの人が慢性的な睡眠不足を抱えている。 睡眠不足になると、学習や記憶に障害が生じることが知られている。 これは、脳内にある記憶をつかさどる「海馬」とよばれる部位に障害…

渡り鳥は磁場が見える

ヨーロッパコマドリは視覚情報をもとに磁力を感じて移動しているようだ。 nature2009年10月29日号 渡り鳥は自分の位置を把握するため、地球の磁気を感じる磁気コンパスを使う。 このコンパスのしくみには二つの説がある。 「鉄ー鉱物仮説」は、 上くちばしの…

オゾン層破壊の新たな主役

フロンにかわってオゾン層破壊の新たな主要因となる物質が示された。 Science2009年10月2月号 「フロン」はオゾン層破壊の原因物質であり、1987年のモントリオール議定書によりその排出が規制されている しかし、アメリカ海洋大気局のラビシャンカール博士ら…

エコなロケット燃料

環境にやさしく高性能な燃料を用いたロケットの打ち上げ実験に成功した NASA News Release2009年8月21日 現在のロケットの燃料(推進剤)は、排出ガスに塩化水素などの有害な物質を含むことがあり、環境への悪影響が心配されている。 NASAはアメリカバデュー大…

寿命延長を確認

寿命延長効果を確認 酵母などで確認されていた寿命を延ばす薬の効果が 哺乳類でも実証された。 nature2009年7月16日号 ヒトの免疫反応を抑制する薬剤「ラパマイシン」は、細胞が栄養状態を感知するしくみである「TOR経路」を阻害する。 酵母や線虫などの無脊…

短い睡眠で平気なわけ

睡眠時間短い家系を分析した結果、特徴的な遺伝子の変異が見つかった Sciende2009年8月14日号 睡眠不足は健康を害し、認知能力や判断力を下げてしまうことがある。 睡眠時間を調節する遺伝子がいくつかの動物で特定されているが、ヒトではまだそのような遺伝…

音で治療?

一方通行する音波 音波をある方向にだけ通過させる新しい装置をつくることができるようだ Phsysical Review Letters2009年9月4日号 半導体でできた「ダイオード」は、 電気の流れを一方通行に制限する機能をもち電子製品にはなくてはならない電子部品である。 …

カロリー制限のスゴイこと、サルで確認

腹7分目のサルは長生き カロリー制限が老化を遅らせ、寿命を延ばすことが、サルを使って実証された Science2009年7月10日号 栄養のバランスをとりつつカロリーをうまく制限すれば、 寿命がのび加齢による病気の発症が遅くなることが、 マウスや線虫ハエなど…

傷口に白血球が集まる働きがわかった

警報は過酸化水素 過酸化水素が白血球を集めるため、 ゼブラフィッシュの傷口は早く回復する 動物が傷を負うと、傷口に白血球が集まってくる。 しかし、どのようなしくみで集まってくるのかは、よくわかっていなかった。 アメリカハーバード大学のニートハン…

がんを抑制する作用がダウン症から明らかに

がんとダウン症の関係 ダウン症の原因遺伝子が、がんの成長を抑制するしくみが明らかになった。 nature2009年6月25日 21番染色体が通常より1本多いことが原因で 精神遅滞などがおきる「ダウン症」の人は、 がんの発症率が非常に低い。 その理由は、21番染色…

病気を吸い出す磁石の実験

病原体に結合する小さな磁気ビーズを使って血液を浄化 磁石で血液から病気を吸い出す。 そんな方法が開発された。 多臓器不全につながる致命的な感染症、肺血症の病原体を血液から抜き出す。 ハーバード大学医学部の生物学者イングバー(Donald E.Ingber)と博…

セロハンテープからX線

粘着テープでエックス線 骨の透視撮影も可能 記事:共同通信社 提供:共同通信社 【2008年10月23日】 市販のセロハンテープを勢いよくはがすと、瞬間的にエックス線が発生し、その強さは指の骨を透視撮影できるほどであることを米カリフォルニア大の研究チー…

空気抵抗を減らす新しい翼

ゆれ動く空気の流れで航空機の燃費を20%も改善する方法が見つかった 地球温暖化を防ぐため、近年、二酸化炭素の排出量の削減が求められている 航空機についても燃費の大幅な改善が必要とされている イギリスウォーリック大学のロッカビー博士らは 航空機に…

大量の二酸化炭素が埋まっている

ツンドラからの二酸化炭素 永久凍土に埋まっていた古い植物の残骸が、二酸化炭素を放出していた nature2009年5月28日 北半球の高緯度地方には、永久凍土からなるツンドラ地帯が広がっている。 一帯の永久凍土には、かつて何千年も繁殖していた植物の残がいが…

光の弾丸ができた!!

空気中の分子にぶつかっても、散らばらずに突きぬけるレーザーができた。 Sience2009年4月10日号 レーザー光は、真空中でも散らばらずに進む性質がある。 ただし、行く手で分子などにぶつかると散らばってしまう。 アメリカアリゾナ大学のポリンキン博士らは…